(格差)Go Go BARに魅せられて


※このブログは小説形式で
登場人物・会社・店舗名は
全てフィクションです。

アパレル業界に飛び込んだ
矢名樹 准也がリーマンを独立。

そして成功から一気に破綻へ。

再起し移住先のタイで魅せられた
ゴーゴーバーを偶然にも
経営する事になる物語です。

サラリーマンと経営者の苦悩
それぞれをリアルに描いてみました。


本編)


何やら玄関先が賑やかになりました。

彼女の父親が帰って来たようです。


私は心臓の鼓動がはっきりと

聞こえるのが分かりました。


この時はまだ23歳の若造。


まず大きな彼女の家に

のまれてしまい


「母親がマンションを買ってくれる。」

そんな話まで飛び出して


私は完全に委縮した状態で

父親に対面する事になりました。


彼女がやってきて

「お父さんが、どうぞって言ってる。」

そう言って私を促してきました。


私は覚悟を決めて、父親のいる居間に

「失礼します。」

そう言って入っていきました。


初めて会う彼女の父親は

いわゆる成功者のオーラを

放っているそんな人物でした。


成功者のオーラ。

これは独特のものが有ります。


「社会的に高い地位にいる。」

「数ある偉業を積み重ねてきた。」


その積み重ね、その内容が

大きければ大きい程


不思議とオーラーというものが

その人の体から放たれるのでしょう。


彼女の父親は笑顔でしたが

その眼光は鋭く


成功している男に与えられる

威厳に満ち溢れていた事だけを

はっきりと覚えています。


私は自己紹介をし、自分の家族の事や

今の仕事内容などを話しましたが


どうしても

「〇〇さんと結婚を前提に

お付き合いさせて下さい!!」


この言葉が言えませんでした・・・


私は彼女の父親を待つ間

色々な事が浮かんでいたのです。


今では結婚式や結納なんて

簡易に済ませても


何らそのスタイルに

問題など無い時代ですが


その当時はやれ、結納だ

やれ結婚式は〇〇ホテルだ


それはもう莫大な費用が必要な

時代でした。


「俺の家にそんなお金が有るのか・・・」

その事だけで頭がいっぱいでした。


それにまだ若い私には

そんな蓄えは有りませんでした。


自分でも決して両親が裕福で

無い事など

この年にもなれば・・・


いや幼い頃から

十分に理解出来ていたのです。


「親には言えない。」


実際、後年別の女性と結婚する事に

なるのですが


その時の費用は一切親には頼らず

全額自分でやりくりしました。


私はどうしても彼女の父親に

「結婚を前提に・・・」

この言葉が言えませんでした。


「格差。」


社会に出て初めて感じた

挫折の瞬間でした・・・。

応援のポチお願いします。

以前のブログはこちらから↓↓

それでも俺はタイへ行く




style="display:block"
data-ad-client="ca-pub-6453912097974390"
data-ad-slot="6342045326"
data-ad-format="auto"
data-full-width-responsive="true">