(昇格)Go Go BARに魅せられて
※このブログは小説形式で
登場人物・会社・店舗名は
全てフィクションです。
アパレル業界に飛び込んだ
矢名樹 准也がリーマンを独立。
そして成功から一気に破綻へ。
再起し移住先のタイで魅せられた
ゴーゴーバーを偶然にも
経営する事になる物語です。
サラリーマンと経営者の苦悩
それぞれをリアルに描いてみました。
本編)
柚実子の事は吹っ切れました。
ただ、この頃から心の何処かに
「絶対に金持ちになりたい!」
そのような反骨精神・
いやハングリー精神に似たものが
湧き上がっていました。
お金が有るか無いかで
大きく生活が変わるんだ!
いや、人生そのものが変わるんだ!
そうはっきりと自覚出来たのです。
彼女の家に招かれ・父親と対面し
気おくれして卑屈になった
そんな自分に絶対打ち勝ってみせる
そう心に誓ったのです。
私はその事が原動力となり
がむしゃらに働きました。
働く事で彼女の記憶を
頭の中から削除する為でした。
そして年が明け2年目の春を迎えようと
していました。
2月には私の会社では一大イベントが
有ります。
それは「人事異動」です。
サラリーマンなら誰もがこの
一大イベントに一喜一憂する事でしょう。
この時期になると
店長達が電話で情報交換しながら
そわそわしていた事を覚えています。
私の上司であった元暴走族店長は
もの凄く恐ろしかったのですが
仕事はよく出来ました。
つまり成績を上げていたのです。
その為店長は本社に対しても
発言力を持っていました。
2月の中旬にその人事異動が
ついに発表されました。
店長が本社から戻ってきて
私を呼びこう言ったのです。
「矢名樹、お前来期からバイヤーに
昇格だからな!」
私は最初、何の事だか
ピンときませんでした。
その当時私のチェーン店では
各店舗単位で仕入れを行っていたのです。
それもお店の中でアイテムごとに
担当(バイヤー)が分かれていました。
当時バイヤーに昇格出来るのは
早くて3年目、平均で4年目
人事考課が低い者は当然ながら
ずっと荷物の運搬や雑用係のままでした。
私は店長からそう告げられ
驚きと共に
天にも昇るような気持ちに
なったのです。
同期の中では私一人だけが
バイヤー職に昇格していました。
怖かった鬼のような店長が
「頑張ったな!」
そう言って肩をポンと叩いてくれました。
店長が私を引き上げてくれたのです。
私はこの時鳥肌がたった事を覚えています。
頑張れば・努力すれば報われる。
社会の中で何か大きなものを
なし得る事が出来た。
そんな実感を感じた瞬間でした。
店長自身も出世され
全店舗の中で2番目に売上の高い
店舗に異動に決まったとの事でした。
私がバイヤーとして任されたのが
スカートやパンツアイテム。
いわゆるボトムアイテムでした。
勿論私には何の知識も有りません。
仕入れなんて全くの???でした。
ただ、私には尊敬するW先輩が
同じ店舗にいたので
楽観視していました。
何故なら彼は既にバイヤーの仕事を
しており
社内でも好成績を収めていたからです。
私はW先輩にバイヤー昇格の旨を告げ
「先輩お願いしますね。」
いつものような
一緒に飲みに行った時のような感じで
彼に言ったのです。
しかし先輩の反応は意外なものでした。
彼は特段喜んでくれるそぶりも見せず
「あ~そうなの。」
そんな素っ気ない素振りでした。
私が「全然分からないので教えて下さいね。」
そう言うと驚いた事に
「自分で考えろ!」
そう一喝され何処かに行ってしまいました。
私は彼の態度に呆然として
その背中を見ていました。
私がバイヤーになる事すなわち
それは社内では「同じバイヤーとして
ライバルになる事である。」
その事に気づくには
しばらく時間がかかったのです・・・。
応援のポチお願いします。
以前のブログはこちらから↓↓
style="display:block"
data-ad-client="ca-pub-6453912097974390"
data-ad-slot="6342045326"
data-ad-format="auto"
data-full-width-responsive="true">
data-ad-client="ca-pub-6453912097974390"
data-ad-slot="6342045326"
data-ad-format="auto"
data-full-width-responsive="true">