(一本の線)Go Go BARに魅せられて
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[カテゴリ] 旅行/アウトドア :2位 / 62116ブログ中
本編)
私のエリアにはベテラン店長が
集まっていました。
ひと癖もふた癖もある店長ばかりです。
だからこそ、この鬼の喜久谷MGが
このエリアのMGであったと思います。
そんな曲者店長達が皆
このMGの前では
借りてきた猫のように
大人しくなっていました。
まさに恐怖政治の真骨頂です。
私のポジションは自分のエリアに
「商品提案のアドバイスをしていく」
そのようなコンセプトでした。
ただ、各店の店長は
私よりも経験を積んだ
ベテランの集まりです。
なので私は、はっきり言って
完全に馬鹿にされていました。
ポッと出の若造に何が出来るんだと。
何がアドバイスだと・・・
各店に行くと店長達の言葉から
それがあからさまに
伝わってきたのです。
「おー、かばん持ち!ご苦労!」
であるとか
「毎日する事が無くて大変だろ?」とか
私を小馬鹿にするような
言葉を何度も投げかけられました。
酷い店長になると、MGへの愚痴を
永遠に聞かせる話し相手にする人も
いました。
私はそんな試練に耐えました。
「いつかみていろ・・・」
心にそう誓い
とにかく店の売り上げの為に
頑張って売ろうと・・・
私の存在感を示すには
その道しか有りませんでした。
そしてそのように
火を着けてくれたのが
MGであったのです。
その日の売り上げがトップで無い時は
店舗内で大声で怒鳴られ
「何故だ!何故だ!」と
とことん追い込みを掛けられました。
ただ、結果的にその事で私は
社内でトップの売り上げを
上げる事ができたのです。
さぁ、それからは面白い現象が
起きてきました。
私を小馬鹿にしていた店長達が
店舗の売り上げが悪く
MGに叱責されると
「矢名樹を応援に
寄越して貰えないですか。」
そう頼んで来るようになったのです。
私を小馬鹿にしていた店長達が
私を逃げ道とするように
なってきたのです。
そうです。物販店の店長にとって
一番頼りになるのは
やはり売上を上げる
販売スタッフなのです。
私の販売成績がトップになった事で
俄然、店長達の私に対する評価が
変わってきました。
そしてMGと臨店に行き
必死で販売していると
なんと店長達から商品について
相談されるようになってきたのです。
これは後に私が自分で
アパレルの会社を
経営するようになった時も然りでした。
売上が落ちてくると
やはり販売成績がトップクラスの
スタッフ達に
現状の打開策を相談したりしたものです。
販売力の有るスタッフが
やはり一番商品動向を
掴んでいて頼りになるからです。
店長達に相談された際には
4か月近く
朝から晩までファッション雑誌や
専門書を読んでいたお蔭で
私のファッション・スキルは
格段に上がっていました。
ベテラン店長を前にしても臆せず
私は自分の意見を
堂々と述べる事が出来ました。
全ての点がここで一本の線として
繋がってきたのです。
戦略を練るという事は
売り場にいるだけではなく
様々な勉強が必要な事。
売り場にいるとどうしても
目先の数字に追われ
勉強どころでは有りません。
それを私は4か月近くもの間
自由に勉強出来る時間を
与えられていたのです。
その事に全然気づいていませんでした。
例えば現在取引していないが
これから伸びるようなメーカーを
発掘してみたり
同業店に行ってその品揃えや
店舗のレイアウト及びディスプレイ
などの優れている点を観察してみたり
色々とするべきであったのです。
戦略を立てるには常に周りの
動向を把握しておく事
その事をMGは私に
教えたかったのでしょう。
その事に気づかづに
また売り場に戻りたいと
言ってしまった愚かな私でした。
「佐官を目指せ。」
※佐官=軍人の階級で、
大佐・中佐・少佐の総称。
将官の下、尉官の上。
MGは私に対してこのような
思いで接してくれていたと思えます。
しかし売り場に戻りたいと
言った言葉を
MGは今度は上手く利用して
各店長達に私が認められるよう
誘導してくれました。
私に強いプレッシャーを与えて
戦力になる、頼られる存在へ
仕立て上げてくれたのです。
もしMGがこんなにも
厳しい上司で無ければ
私はフワついた気持ちで
店舗に居たと思います。
いつもトップの売り上げを
上げなければいけない
その強いプレッシャーこそが
私を大きく飛躍させてくれました。
売り上げが悪いとその日は
大声で怒鳴られ罵倒されました。
「自分から言い出したんだろう!」
「一日何をやってるんだ!」
そう言われるとぐうの音も出ません。
悔しくて悔しくて
何度も唇を噛みしめました。
ただ、不思議とどれだけ罵倒されても
この一言だけは
絶対に言われませんでした。
それは「辞めてしまえ!」
この一言です。
後年この事を思い出し
あ~あの時随分と叱られたけど
全ては私の為に・私を伸ばす為に
叱ってくれたのだと
思える事が出来たのです。
誰だって相手に好かれたいという
気持ちは持っていると思います。
しかし、「まぁいいよ。」
「ほどほどに頑張れよ。」
こう言われると楽ですが
そんな言い方をされて決して
人は伸びる事はないでしょう。
この鬼の上司の下で働き出し
半年が過ぎたあたりから
段々とこの上司の本当の凄さが
理解出来始めてきたのです。
秋になり始める頃には
エリア内で私を馬鹿にする店長は
もう誰もいなくなりました。
逆に電話が掛かってきて
商品動向の相談まで
されるようになってきたのです。
雲の上のような
ベテラン店長達からです。
しかしその域にたどりつく迄には
私には相当のプレッシャーが
蓄積されていました。
そしてそんなある日のこと・・・。
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