(前進)Go Go BARに魅せられて「リーマン独立物語」
※このブログは小説形式で
登場人物・会社・店舗名は
全てフィクションです。
アパレル業界に飛び込んだ
矢名樹 准也がリーマンを独立。
そして成功から一気に破綻へ。
再起し移住先のタイで魅せられた
ゴーゴーバーを偶然にも
経営する事になる物語です。
サラリーマンと経営者の苦悩
それぞれをリアルに描いてみました。
本編)
その日は予約していたホテルに
戻りました。
そのままベッドに寝転びしばらくすると
気持ちが悪くなってトイレに
駆け込みました。
何度かそんな状態が続き
フロントに連絡して
レイトチェックアウトにしてもらい
私はその日は夕方近くまで
完全にダウンしていました。
何の成果も得られないまま
帰る事になったのです。
翌日本部長に成果が無かった事を
報告に行くと
「お前、自分から言い出して
出来ませんでは済まないからな!」
そう怒鳴られたのです。
「すいません。」
その言葉しか出ませんでした。
正直この時は「そんな風に言われるなら
何も言い出さない方がいいじゃん。」
そんな後ろ向きの考えが
よぎりました。
一生懸命考えて、口にした途端
もうその時点で実行出来なければ
責任が発生する。
それなら黙っていた方がいいや。
そんな気持ちにさせられたのです。
ただ、もう口に出してしまったので
前に進めなければいけません。
「もう一度社長にお願いに行こう。」
そう思いアポイントと取ろうと
考えていました。
午後に入り内線が鳴りました。
「アースの和久井様からお電話です。」
そのような茜さんの声が聞こえたのです。
「社長だ!」
一気に緊張が走りました。
「はい、お電話代わりました!」
「矢名樹です!」
そう言うと社長は笑いながら
「おー矢名樹君、元気!」
そう言ってきたのです。
私は「まだ、頭がガンガンして
います。」笑いながらそう言いました。
「社長御馳走様でした。」
そう言うと
「今度いつ来るんだ?」
何と社長の方から
予定を聞いてくれたのです。
「いつがよろしいですか?」
そう聞くと
「お前の都合のいい日でいいぞ。」
そう言ってくれます。
こんな時は直ぐに行動すべきなので
「明日伺います。」
そう言うと
「分かった、他の社長も呼んで
おいてやるから。」
「矢名樹!その方が話が早いだろ。」
そう言って貰えたのです。
和久井社長はなんと、その時一緒に
飲みに来ていた他のメーカーの
社長2人も一緒に同席させてくれる
段取りを付けてくれると
言ってくれたのです。
私が希望時間を言う前に
「昼飯一緒に行こう。10時過ぎに
来てくれ!」
そう言って社長は電話を切られました。
私はしばらくそのままで
自分の考えにとらわれていました。
「そうか、あの飲み会は社長なりの
人を見極める場だったのか?」
私は何が良かったのか
よく分からなかったのですが
その時の飲み会で社長に
気に入られたようでした。
これを読まれていて俄かには
信じがたいと思われますが
この当時は
「NOと言わない、酒が飲める面白い奴。」
そして勿論
「がむしゃらに働く奴。」
そんな人間が気に入られる傾向が
有ったのです。
私はそれに合格したようでした。
翌日アースウインドへ行くと
和久井社長が
「よ~ぉ、矢名樹君!」
笑いながら出てこられました。
初対面の時とは全然違う
対応でした。
他のメーカーの社長達も
来られて、私は本題のプレゼンを
再び始めました。
全てを話し終えると
「分かった、俺達はどうすればいい?」
和久井社長にそう聞かれたので
準備していた
今回のプロジェクトへの同意書と
仕入れ原価を下げる覚書に
社判と代表者の実印での捺印が
欲しい旨を伝えました。
社長は私をじっと見て
「矢名樹、お前、面白い奴だな。」
褒められたのか、馬鹿にされたのか
よく分からない言葉を
投げかけられたのです。
しかし、とりあえず
「有難うございます!」
そのように頭を下げました。
すると「分かった。印鑑を押して
お前当てに送っておくよ。」
「それでいいな?」
そう言って頂けたのです。
他の社長達も頷いてくれて
いました。
主力の3社が一気に
同意してくれたのです。
もう私は鳥肌が立ちました!
「やった!OKを貰えた!」
心の底から叫びたい気持ちでした。
和久井社長の呼びかけのお蔭で
一気にこのプロジェクトは
成功への道を進み始める事が
出来ました。
「矢名樹君、もう話はいいか?」
そう言われ
「はい、本当に有難うございます!」
立ち上がり深々と頭を下げました。
私を君づけしたり、呼び捨てにしたり
本当に掴みどころの無い社長でした。
「食事に行こう!」
その後、再び近所の小料理屋に
出向き、勿論昼間から宴会です。
私もそのつもりで来ていたので
この後には何も予定を入れて
いませんでした。
今の時代なら有り得ないでしょうね。
当然の事ながら、私の会社では
昼間から酒など飲む事は
許されない行為です。
ただ、その本線から脱線した事で
私はこの社長達からOKを
取り付ける事が出来たのです。
朝まで飲んで、吐きそうなのを
無理に我慢してラーメンを食べ
とことん付き合ったお蔭で
私のプロジェクトは大きな一歩を
踏み出す事が出来たのです・・・。
PS
この社長達にはこの先も
本当に可愛がって頂けました。
何年後か後に、私が
結婚する事になった時には
お祝いを持って、皆で駆けつけて
くれたのです。
ただ、その時キャンドルサービスで
ロウソクに火が着かないように
悪戯していたのはこの方達のテーブル
だけでしたが・・・。
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