(教育担当)Go Go BARに魅せられて「リーマン独立物語」
※このブログは小説形式で
登場人物・会社・店舗名は
全てフィクションです。
アパレル業界に飛び込んだ
矢名樹 准也がリーマンを独立。
そして成功から一気に破綻へ。
再起し移住先のタイで魅せられた
ゴーゴーバーを偶然にも
経営する事になる物語です。
サラリーマンと経営者の苦悩
それぞれをリアルに描いてみました。
本編)
初めてのその年、売上結果は
7億8千万。
8千万の上乗せで
8億近くにまで上がりました。
まずまずの結果に一安心でした。
物流の経費も、メーカーからの
協賛金内で収める事が出来
プロジェクトはそこそこの
及第点で終える事が出来たのです。
ただシーズン中、物凄く忙しくて
せめて、もう1人はスタッフが欲しい。
そう思いました。
その事を本部長に提言すると
「稟議を書け。」と
それを受けて、直ぐに稟議を上げると
来期の人事異動で、スタッフを一人
付けて貰える事になりました。
シーズンを終え、各メーカーに
お礼の挨拶に回りました。
アースウィンド社に行くと
和久井社長が待ち構えていました。
「矢名樹君、今夜飲みに行くぞ!」
着いた途端そう言われたのですが
最初からその覚悟で来ていたので
「はい!分かりました!」
そう言ってお付き合いさせて
頂きました。
和久井社長には訪問する度に
飲みに誘って頂いたものです。
現在では会社接待などは
自粛ムードが漂っていて
少なくなっているのでしょうが
エリアMGクラスが現役バイヤーで
あった1970年代頃のアパレル業界は
この接待、本当にダイナミックでした。
例えば、メーカーの発注会と称して
バイヤー達をホテルに泊まりがけで接待し
飲めや歌えやのドンチャン騒ぎの後
発注書はメーカーの担当者が
自分で書いていたという逸話も
有るほどです。
また、その頃、百貨店のレディス売り場の
部長に昇進すると「家が建つ。」
そう言われる程
良い場所取り為の、部長への付け届けが
物凄かったとの話も耳にしました。
私も少しですが、接待という
おこぼれに預かった時期を
経験させて頂けました。
自分では絶対に行けなかった
高級フグ店・焼き肉・時価の寿司屋など
更には座っただけで5万円と
いわれるような銀座のクラブに
連れて行かれた時には
感動して緊張した覚えが有ります。
「ここが銀座なのか!」と
そんな貴重な経験をさせて貰え
メーカーには感謝しています。
夏のシーズンが終わり、来期の戦略を
練るのですが、実はこの頃
もう一つ私には案が有りました。
それは今度は冬場のコートを
本部仕入で扱う事です。
コートは水着同様シーズン商品なので
店舗への導入から実売、終了までが
明確なので取扱いやすいと考えたからでした。
秋口から冬場にかけて
今度は、コートメーカーを
水着の時同様
根回しを始めようと考えていました。
ただ、本部での取り扱いで
水着を始めたばかりでしたので
事を急がず、最初はメーカーに
対しての表敬訪問程度に
止(とど)めようと思っていました。
本社に異動になってからは
様々な仕事が私に回ってきたものです。
ある日の事、私は本部長に呼ばれました。
「矢名樹、人事部長が呼んでいるから
話を聞いて来い。」と
私は人事部部長と聞いて「何事か?」
と怖気づきながらも
部長の元へと足を運んだのです。
部長の前で「部長お呼びですか?」
そう言うと
「ああ、矢名樹君、君にやってもらい
たい事があるんだが。」
そう言われたのです。
部長が続けます。
「女子社員のチーフ前教育と
新入社員教育を君に頼みたい。」
そう言われたのです。
私は思わず「えー!」という声が
出そうになったのです。
「えー!」という声を
かろうじて抑えながらも
「僕がですか?」そう聞き直して
しまいました。
何故なら私は教育などやった事が
なかったからでした。
すると部長は眼鏡を直しながら
「そう、君にだ!」
私が聞き返したのがまずかったのか
少し怒気を含んだ声で言われたのです。
「喜久谷本部長にはもう許可は
貰っている!」
その言葉がとどめでした。
「出たー!」
また、本部長の無茶ブリでした。
事前に言ってくれればいいのに
いつも万事勝手に決める本部長!
「部長、それはいつですか?」
そう尋ねると
「チーフ前教育は10月で
新入社員教育は3月だ。」
そのように言われたのです。
「えー!もう来月じゃん!」
突然告げられたのは9月の半ばでした。
「補佐に本城を付けるから
使ってくれ。」
そう言われたのです。
人事部の中には教育課という
部門が有り、そこに新卒で
この本城裕子さんが入社していました。
以前は教育担当課長がいたのですが
研修中に悪質な手口で
女子社員に手を出し、訴えられ
突然解雇になったようでした。
この事は社内でもみ消された
事件でしたが、早耳の私には
噂は流れてきていました。
ただ、まさか私にその後釜が
回ってくるなど思いもしませんでした。
その課長の後任に急遽私が
任命されたのです。
私が営業部門の人間であるにも
関わらずです。
取りあえず「分かりました。」
そう言って本城さんに挨拶だけして
席に戻りました。
本部長を見ると、こちらを見て
ニヤニヤ笑っています。
「ちきしょう、ハメたな。」
本部長は、人が忙しくなり
てんてこ舞いしている姿を
見て楽しむ、そんな悪趣味な人間でした。
席に戻って、教育スケジュールの
用紙を眺めていました。
全国の女子社員が対象なので
5~7班に分けて行われるようでした。
またもや、エリアへの出張が増えます。
ただ、この時私はスケジュールを
眺めながら、こう思ったのです。
「セクハラで解雇になった
課長の後釜が俺なんて」
「人事部長、俺の女癖が悪いのを
知らないのかな・・・?」
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