私をフェーンと呼ぶレディ・完結

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本編)


私の手招きに喜んで来たのは

メイというレディで

年齢は21才。


まだ入店してまもないという事でした。


皮肉にもウォンと出会った

シチュエーションと同じ状況が

この時、再現されたのです。


ひとまずドリンクを頼んであげて

彼女との会話を楽しんでいました。


メイはとても明るくて楽しい子でした。


ウォンを待っている時間を

忘れそうになるぐらい、その場を

和ませてくれたのです。


すると、向こうでウォンが立ち上がる

気配がしました。


「おお!ついに来るのか。」


私はウォンが来たらこのメイには

チップを渡して、戻ってもらう

つもりでした。


ウォンが私に近づいて来ます。

ドキドキしてきました。


5年ぶりの対面です。


近づいて来るにつれ、彼女の

大人の女性に変貌したその顔が

はっきりと見えてきました。


「変わったなウォン。」


あどけなく、幼かったあの時の

ウォンはもうそこにはいなく


堂々とした風格溢れる

女性になった彼女が

私の目の前に迫ってきたのです。


私の横に来たので

「久しぶり・・・。」

そう言いかけました。


ところが・・・

彼女は私の横を通って上の席に

行くではないですか。


私は声を掛けようとした

そのタイミングを、見事に肩透かし

を食らったのです。


そして私の後ろの席でこんな会話が

聞こえました。


「久しぶり・・・。」


それは彼女から発せられた言葉

だったのです。


私に掛けられるべき言葉が

後ろの席から聞こえてきました。


私はこの瞬間、頭から冷水を掛けられた

気分でした。


「何故だ!」

「何故わざわざ来ている俺を無視して

後ろのゲストに挨拶しているのだ・・・。」


もう訳が分からなくなり

頭はパニック状態でした。


「何故だ・・・」

「何故なんだ・・・」


その言葉だけが、何度も・何度も

私の頭の中で繰り返されていました。


いや、後ろの席に挨拶してから

次に俺の所に来るのだろう。


まだ、ほんの少しの淡い期待が

私の脳裏によぎりました。


しかし、それも見事に

打ち砕かれたのです。


ウォンはしばらく、後ろの席の

ゲストと会話してから


再び、私の横を通り、ステージ向こうの

席に戻っていきました。


今までの全ての彼女に対する思いが

怒りに変わり


私の腹の底からマグマのように

せり上がってきました。



「ふざけるな!」


そう大声で怒鳴りたいのを

寸前で我慢しました。


メイに「チェックna」そう言って

怒りのぶつけ場所が無い私は

帰る事にしたのです。


「笑える・・・。」


自分の馬鹿さ加減に、自嘲気味に

笑ってしまいました。


何の事は無い、ウォンはまめに

何人かのカスタマーにラインして

いただけなのです。


それは私のように長い期間かも

しれませんし

短い間なのかもしれません。


ただ、彼女のカスタマーの管理は

至極まめで、そして気長で

素晴らしい営業だったと思えます。


私は5年もの間、メッセージを

送り続けてくれた彼女を愛おしいと

思い続けていたのですから。


彼女の再出発には私を含めて

何人かのカスタマーが

この店に押しかけて来ていたのです。


そしてその中で、挨拶にも

来て貰えない、彼女の中では

取るに足らないカスタマーが私。


いや、カスタマーとも思って

貰えていない存在だったようです。


もしかすれば、退屈しのぎの

ライン友達・・・


そのような存在で

あったのかもしれません。


たまたま、返信の有るライン友達が

自分の再出発に、舞い上がって

店に押しかけて来た

それぐらいの扱いでした。


店を出た私の足は重く、心は暗い

影で覆われていました。


もうこの先、夜嬢など絶対に信用

しないでおこう、そして好きに

なったりしないでおこう。


彼女達とは必ず距離をおこう。

そう心に誓いました。


夜嬢という仮面を被った彼女達の

腹の中のどす黒さは、舞い上がって

いた私には見抜けませんでした。


穿(うが)った見方をすれば

イン〇イドさせた事や

フェーンと私を呼んだ事なども


全て彼女の顧客作りの一環であったのかも

しれません。


私だけでなく、複数多数のゲストに

同じような営業を

かけていた可能性が有りました。


いや、間違いなくそうでしょう。


部屋に帰るとスマホをチェック

しました。


馬鹿な私はまだ、そんな状況でも

「ゴメンナサイ。アナタト

ハナセナカッタ。」


そんなメッセージが

来ているのではないかと

淡い期待をしていました。


しかし、私のラインには

何のメッセージも届いては

いません。


翌日になって朝一番に

再び確認しました。


しかし、彼女からは、何の

メッセージも有りませんでした。


「キテクレテ・アリガトウ。」

そんなお礼のメッセージでさえです。


私は怒りが収まらず、たまらず

こんなメッセージを送りました。


「俺がせっかく会いに行ったのに

何故、君は俺に挨拶しなかったんだ!」


「俺は君の為に店に行ったんだぞ!」


そんな怒りのメッセージです。


すると午後にはこんなメッセージが

彼女から帰ってきたのです。


「アナタハ・ホカノレディヲ・ヨンダ。」


「はぁ~?」

「この女・馬鹿じゃないのか?」


もう完全に頭にきました!

そしてこう返しました。


「君が来ないから、一人だったから

俺は話相手に呼んだだけだ!」


すると彼女は

「アナタハ・ワタシヲ・マタナカッタ。」


こいつ一体何様のつもりなんだ!

もうあきれ返るほどの馬鹿女です。


ぶん殴ってやりたい気分でした。


実は店にいる時に

私は気づいていたのです。


ウォンが私の後ろのカスタマーに

挨拶している時


そのカスタマーは別のレデイを

横に付けていた事を・・・。


私がレディを呼んでいたとなじるなら

後ろのゲストは何なんだ!と


馬鹿バカしい・・・。

もう返信するのを止めました。


私はタイに仕事で・旅行で・移住してと

その都度夜嬢達と触れあい

色々と彼女達に学習させられ


自分なりに彼女達との接し方

遊び方が身に付いたのは確かです。


長い年月を掛けて、私の身には

想像が付かなかった

夜嬢達との色々な出来事が起きました。


そして今回のこの件を機に

パタヤの夜に向かって、自分なりの

深い思いをこう伝えたのです。


さようなら、心から愛する事が

出来た夜嬢達よ。


僕は、もう二度と

君達を信用する事はないだろう。


ましてや愛する事なんて・・・。


君達の心の内・腹の中・色々と

見させてもらい、よく理解出来たよ。


その美しい夜嬢という仮面の下の

したたかな君達の素顔を


幼い心の僕には

全く見抜けなかったよ。


でも、これからは、僕は心の扉を

しっかりと閉めて


それなりの付き合いで

楽しませてもらうようにするね。


今まで、沢山の夢を

見させてくれてありがとう。


これからは、もう二度と君達の

笑顔や振る舞い、そして言葉には

騙されたりは、しないからね・・・。



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それでも俺はタイへ行く