(事業部の危機)Go Go BARに魅せられて「リーマン独立物語」
※このブログは小説形式で
登場人物・会社・店舗名は
全てフィクションです。
アパレル業界に飛び込んだ
矢名樹 准也がリーマンを独立。
そして成功から一気に破綻へ。
再起し移住先のタイで魅せられた
ゴーゴーバーを偶然にも
経営する事になる物語です。
サラリーマンと経営者の苦悩
それぞれをリアルに描いてみました。
本編)
納得いかないような顔で部屋を
出て行った今井毛MGを見ながら
私は腹の虫が収まりませんでした。
やりたい放題やって、指摘されると
何の反省も無いその開き直った態度。
「なんて奴なんだ!」
そんな苦い気持ちが残ったままでした。
部屋に残された私に常務が言います。
「矢名樹頼むぞ!」
そんな言葉を言われても
今までのように熱い気持ちで常務に
応えようとは思えませんでした。
どちらかと言えば「今さら・・・。」
そんな思いの方が強かったのです。
ただ、仕方無く「分かりました。」
そう答えました。
納得はいかないけれど、事業部の問題
でもあるので、一応はそのような
返事をして、私は部屋を出たのです。
直ぐに松来に電話をすると、松来も
憤慨この上無いというように
「今井毛MGも常務も頭にきますね。」
そう、私の気持ちを代弁してくれました。
「これで、また忙しくなるよな。」
アパレル部門の在庫を削減するまでは
目が離せないので、松来に呟くように
自分にも言い聞かせたのです。
その日念のため、今井毛MGに電話を
入れました。
「新規商品を全て止めるのですよ。」
「今日から全力で、今の在庫を営業をかけ
2人で(彼の部下)捌いていき」
「金曜日の週末に必ず、販売の
進捗状況を報告して下さい。」
強い口調でそう告げたのです。
電話の向こうで、彼が「ムッ」と
しているのが、分かりました。
私はその気配にムカムカしながら
「分かっていますか!」
そう言って
「これは事業部の問題なんですよ。」と
さらには、ついに我慢出来ずに
「あんたと心中する気はないんだ!」
受話器を握りしめ、そう思い切り
怒鳴ったのです。
アパレル部門がパンクすれば、必ずや
小売部門に影響が及ぶのは明白です。
さすがに、彼も私のその権幕に
「分かりました。」そう言って
電話を切りました。
それからは、彼は私が言った通り
新規商品を止めて、在庫の販売を
始めました。
ただ、そのスピードは遅く、予定
よりも消化が進みません。
ファッション衣料も、野菜や魚と
同様で、「鮮度」が命です。
日が経つにつれて、その価値は
どんどんと落ちていきます。
さらには、元々企画を外した商品
なので、その価値など二束三文でした。
それでも販売するのが
営業の仕事です。
しかし、残念ながら
彼からこんな電話があったのです。
「もっと見切らなければ、
販売出来ませんよ。」と
私はその言葉に
「はぁ?何言ってんだこの人は?」
呆れてしまい
「今井毛MGね、それはあなたが
今まで放置していたからでしょう。」
「見切れば、見切るほど大きな損失に
なる事ぐらい分かるでしょう!」
そう言ったのですが、今度は
「それなら、これ以上は無理です。」
「販売出来ません。」と・・・
もう、子供のように
拗ねてしまいました。
これでは、らちが明かないと思い
一度電話を切り、私は常務に電話を
入れて、再度3者ミーティングを
願い出ました。
小会議室で向かい合い
「あのね、今井毛MG、出来ないって
どういうことですか?」
「じゃ、この在庫どうするつもり
なのですか?」
そう問い詰めたのです。
すると「新規商品の販売でカバーします。」
「新規の利益でカバー出来ますよ!」
そのような、まるでトンチンカンな
言葉を返してきたのです。
呆れて、チラッと常務を見ると
常務もイライラした様子で
「今井毛、矢名樹の言う通りだ。」
「これ以上の見切りは許さん。」
「全力で販売しろ!」
そうフォローしてくれました。
しかし、それに対して彼は
「それならもう出来ません!」
大声でそう叫び開き直ったのです。
私と常務は唖然として、開いた口が
塞がりませんでした。
その言葉や態度に私はこう言ったのです。
「分かりました。」
「それなら、さらに評価を落として
販売して下さい。」
「ただし、その見切り損は自分で被って
下さい。」
「あなたの責任なのですから。」
私は常務に向き直り、「常務、彼は前回、
沢山の賞与を受け取っていますよね。」
「全額、返還させて下さい。」
「その金額で見切り損をカバーしましょう。」
「それでしか、販売出来ないと
言っているのですから・・・。」
この私の言葉に
2人は黙り込んでしまいました。
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