(衝突)Go Go BARに魅せられて「リーマン独立物語」
※このブログは小説形式で
登場人物・会社・店舗名は
全てフィクションです。
アパレル業界に飛び込んだ
矢名樹 准也がリーマンを独立。
そして成功から一気に破綻へ。
再起し移住先のタイで魅せられた
ゴーゴーバーを偶然にも
経営する事になる物語です。
サラリーマンと経営者の苦悩
それぞれをリアルに描いてみました。
本編)
実はこの、子松川部長とは始めに
大きな衝突が有りました。
私は一から事業部を立ち上げたの
ですが、何しろ分からない事だらけ。
なので、同じ小売り事業の
間接部門であるスタッフさん達に、
分からない事を
尋ねに行っていたのです。
彼女達も最初は愛想よくしてくれて
いたのですが
何度も分からない事が有る度に顔を
出す、私が疎ましくなってきたようで
ある日の事、ロビーで出会った部長に
こう言われました。
「矢名樹さん、分からない事は
本社に聞いてくれる?うちのスタッフは
忙しいから・・・。」
いきなりの喧嘩腰でした。
本社に電話するより、同じ支社に
ある小売部門に聞く方が早いですし
何よりも小売りの事は小売りが一番
分かっている筈でした。
この時はまだ、あまり部長とは接触も
無く、話もほとんで交わしていない
時です。
カチンときました。
その態度と言い方にです。
「すいません、部長、分からない事を
尋ねるのが何故駄目なのですか?」
「いや、忙しいんだよ。」
「忙しいって、わずか5分も掛からない
ような事じゃないですか?」
「矢名樹さん、何言ってるの?
僕は断ってるんだよ。」
私は入ったばかりの1店舗のMG。
いや、単なる店長のようなもの
片や既に会社の柱となる売上と利益を
叩きだしている部長。
あきらかに格の違いが有りました。
しかし、私はこの鼻につく彼の
態度に猛烈に腹が立ったのです。
「じゃ聞きますが、部長はルックスに
入って来た時から会社のシステムを
全て把握していたのですか?」
「誰にも頼らなかったのですか?」
「それと、同じ会社の中でどうして
互いに助けあってあげようとかの
気持ちがないのですか!」
「仮にも部長でしょう!」
「それに同じ小売り部門じゃないですか!」
私は、ついエキサイトして
大声になっていました。
今にも掴みかかるような勢いで
あったと思います。
事業部を立ち上げ、右も左も
分からず、全てを一人でやりくり
していた私は
この時、気持ち的に余裕が無くて
いっぱい・いっぱいでした。
そこに、この言葉を投げかけられた
からです。
その為、思わず感情が爆発して
しまいました。
部長は少し驚いた顔で私を見て
いました。
多分、そう言えば私が引き下がると
思っていたようです。
しばらく、興奮した私を黙って
見ていたのですが
「矢名樹さん、あんたの
気持ちは分かった。」
それだけ言ってロビーを後にしました。
それからは、彼の事務所に行くと
皆が、とても親切にしてくれたのです。
多分彼が、スタッフ達に応援して
やれ、とでも言ってくれたようです。
彼のその言葉で、がらりと私に
対しての態度が変わりました。
やはり彼は凄い人です。
事業部のトップとして
絶対的な君主であったようでした。
後日彼がこんな事を言っていました。
「この会社は、事業部同士、全く赤の
他人のような付き合いなんだよ。」
これは完全独立採算制を敷いている
為でした。
ロビーですれ違っても挨拶さえしない
人がほとんどだったのです。
「矢名樹さんが、喰ってかかってきた時
ちょっと驚いたよ。」
そう言って笑っていました。
そして
「ああ、こんな熱い人は久しぶりに
みたなと・・・。」
「こんな人がルックスにいたんだ。」
そう、驚いたと言ってくれたのです。
素知らぬ顔が当たり前の社内で
「何故助け合おうとしないのか!」
そう詰め寄った私がとても
新鮮だったと褒めてくれました。
ただ、私は単に自分に余裕が無くて
感情を爆発させただけでした。
その事を部長に謝ると、笑いながら
「全然気にしてないよ。」
そう言って笑顔で許してくれたのです。
社内でその態度が鼻につくと
嫌われていた子松川部長でしたが
私からは、とても才能有る尊敬すべき
素晴らしい部長でした。
その衝突があって私はどこか
気まづい思いをしていたのですが
部長が私を見つけると
「おっ?矢名樹さん、儲かってる?」
そう笑いながら先に声を掛けて
くれたのです。
私もそれが嬉しくて、「全然ですよ
部長の所でバイトで雇って下さい。」
そんな軽口を叩くと、笑いながら
大きく手を振り去って行きました。
この時から、私と偏屈な子松川部長は
一気に近付けたのです。
そして、もし今でも街で出会う事が
あれば、多分彼とは一緒に楽しい
酒を飲めると思います。
ただ、その時も相変わらず私は
いじられ役でしょうが・・・。
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