ソムタムさん「2分遅れたシンデレラ」


Seesaaブログ
[カテゴリ] 旅行/アウトドア :
2位 / 62416ブログ中




●第149話 2分遅れたシンデレラ 

3日目その8



遊んできていいよと言った嬢を

ホテルに残して、ソイさんと

ゴーゴーバー巡りを楽しんできた私。


約束の12時に

2分ほど遅れて帰ってきたら、


「なんであなたは、ワタシ一人置いて

遊びに行ったの?」


嬢がベッドの上で

すすり泣いていたのです。


私はびっくりしました。


朝帰りとかならともかく、

たった2分の遅刻です。


「あれ、遊んできて良いって‥」


「部屋でワタシ一人で、グス、

寂しかった〜」


だんだんすすり泣きが

ひどくなってきました。


えー、なんだこれは。話が違う。


ペイバーはダメだけど

今日中に帰ってきたらOK、


ソイとゆっくり遊んでおいで、と

笑って送り出してもらったはずなのに。


「何軒回っだの?」


嬢がベッドの上で寝返りを打って

こっちを見ます。


ノーメイクで髪の毛グシャグシャで、

般若のような顔をして

すすり泣きながら、

私をにらみつけています。


最初は言葉通りに、テレビを見て

ゲームして涼しい部屋で

くつろいでいたようですが、


やっぱりだんだん

寂しくなってきたのでしょう。


2分遅刻とかの問題ではないようです。


「あ、えーと、ウォーキングで

3つと、LKでひとつかな」


私は正直に申告します。


少々ごまかしたところで

状況は変わりそうもありません。


「ドリンクは何杯あげたの?」


「うう、一人1杯か2杯」


「ペイバーしてないでしょうねっ!?」


「してないしてない!当然だろ、

お前を愛しているから」


私は嘘はついていません。


でも、ほんの15分程前まで

ドリンク口移ししてたとか、


そんなことは

口が裂けても言えません。


「本当だよ。そんなお金が

あったらお前にあげる」


嬢は黙って私をにらんでいます。


アカン、これは

理屈が通る状況じゃない。


「とにかくシャワーしてくるから」


私は衝突を回避して、

シャワーに逃避します。


ガシャガシャと急いで

体を洗いながら、さっきの

口移しの感触が思い出されて、

思わずニヤけます。



IMG_8224.jpg


いかんいかん、

今は嬢に集中しないと。


シャワーを終えた私は、頭まで

シーツにくるまっている

嬢の横にもぐりこみます。


もうこういう時は、ゴチャゴチャ

言っても仕方ないので、


ボディコミュニケーションで

解決しようというわけです。


これをなし崩しとも言います。


「◯◯◯、愛してるよ〜」


私は嬢の名前を読んで抱きつきます。


「ワタシは寝るっ!」


嬢がクルッと向こうを

向いてしまいました。


あちゃー、こりゃダメだ。


状況によっては、ここで襲いかかって

うまくいくパターンもあるでしょうし、

それを期待している場合も

あるかと思います。


でも私はちょっと

シラけてしまいました。


あ、そう。そんなら良いよ。


自分のバタフライもどきを棚に上げて、

ちょっと意地悪な気持ちになった私は、

クルッと反対側に寝返りを打ちました。


大きなベッドの両側に、

それぞれ反対向きで寝て、

そのまま時が流れます。


嬢は時折すすり泣いています。


私はすることがないので、

スマホをちょっと触ります。


でも落ち着いて見られる状況じゃない。


寂しかったのは分かりますが、

そんなに怒らなくてもいいのにと

思いつつ、


スマホを置いて振り返り、

もう一度

嬢の名前を呼んでみます。


「ワタシ寝る!」


うーん、ダメだ。

仕方がない、今夜はこのまま寝よう。


明日になったら、きっと

機嫌を戻してくれるだろう。


怒っても、時が経つと意外に

アッサリしているのが

タイレディの特徴。


何事もなかったように、

とはいかなくても、


「もう忘れた!」と明るく

笑ってくれるに違いない。


私はそう思って眠りにつきました。


翌朝この続きがあるとは知らずに。


応援のポチお願いします。


憧れのパタヤライフ - にほんブログ村

以前のブログはこちらから

それでも俺はタイへ行く