ピーナ物語「何故か得した気分の国内送金」
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彼女はほとんど毎日
寝ていないようでした。
その原因の全ては
自分のサラリーの事です。
蕁麻疹が出来るほどのストレス
眠れない毎日。
それほど彼女が抱える家族への
送金プレッシャーは大きい
ようでした。
そう思うと私など幸せ者で
あったと思えるようになります。
子供の頃は何故、自分の家は
こんなにも貧しいのかと
世の中に対し見えない怒りを
感じたりもしましたが
親に大学まで行かせてもらえ
こうして、曲りなりにも
人生を送らせてもらえている
事を思うと、感謝しなければ
なりません。
私は親から海外に働きに出て
家に何としてでも
送金しろとは言われ
なかったですから・・・。
まだ、22歳のピーナは
そんな私などの境遇よりも
遥かに過酷な
宿命を背負っているように
思えました。
私は物心ついた頃、もっと金持ち
の家に生まれていたなら
幸せだったのに・・・。
そんな歪んだ思いを何時も
持っていました。
どの親から生まれるかで
子供時代の幸せ度が変わる
そんな思いで世の中を斜めに見て
長い間、ふくれっ面をしていました。
しかしピーナは、どの親から
生まれたどころのレベルでは無く
どの国で生まれたかの話で
私よりも遥かに大きな
スケールの中で
もがき苦しんでいます。
一番楽しいであろう20代前半の
ほとんどを、異国の地で
出稼ぎという労働で大半を
費やしているのです。
彼女ぐらいの器量なら、日本で
生まれていたなら、今頃は
とても恵まれた環境で、幸せな
日々を送る事が出来ていた
はずなのに・・・。
多分、色々な男性からチヤホヤ
され、引っ張りだこでは
なかったかと思えます。
「ソイ、私は何時も
ペナルティばかり。」
「全然、眠れないの・・・。」
「ベリィ・ストレス・・・。」
彼女はサラリーが少ないが故に
思うような金額を、家族に
送金出来ていないようです。
家族も彼女を日本に送りだす前には
これぐらいの金額は送金されてくる
だろう的、とらぬ狸の何とかで
期待して今か今かと送金を
待ちあぐねていた筈でした。
「ピーナ、心配しなくていいよ。」
「僕がそのペナルティを支払って
あげるから。」
彼女を不憫に思い、私はそう励まして
あげたのです。支払うと言っても
当然、店にでは無く、彼女に補填して
あげるという意味でしたが。
「ほんとに?」
彼女は驚いたようです。
「ああ、本当だよ。」
私はタイでの夜嬢達とのやりとりが
染みついたまま、このピーナと
出会っているので、彼女にとっては
結構驚く事が多いようです。
チップにしてもそうですし
物品の支援も勿論の事
お金の援助の事もそうです。
タイの夜嬢達には普通の事が
彼女ピーナには驚きの連続の
ようでした。
それはそうかも知れません。
彼女は日本に来て、まだ
1年も経っていなくて
そしてカスタマーも
ほとんどいない状態。
そんなひよこのような彼女に
タイの夜嬢達と数々の場数を
踏んできた私とのやりとりに
驚く事が有るのは当然なのかも
知れませんでした。
「振り込んであげるよ。
日本の銀行口座は持ってる?」
そう聞いてあげると
「まだ、持って無い。」と
まぁ、日本の銀行口座を作る
必要も無かったのかも知れません。
あるいは、最近では日本の銀行も
口座開設がかなりシビアになって
いるので、開設に必要な書類が
彼女に揃えられないのかも
知れませんでした。
う~んどうしたものか?
現金書留でも送ってやるか。
そう思った時、彼女が
こう言ったのです。
「従妹が日本の口座を持っている。」
彼女の従妹はもう日本に来て
4年程経っています。
その彼女と話す機会が
あったのですが、来年で
ようやくフリーになれると
フリーとは店の小難しい制約に
縛られずに働けるポジションの
事です。彼女達のお店は大体が
5年契約での縛りが
主体のようですね。
日本で4年も働いている
ベテランともなれば
日本の銀行口座の
一つや二つ持っているようでした。
「分かった、それじゃ従妹の口座に
振り込んであげるよ。」
そう言って彼女から送られてきた
従妹レディの口座に、翌日
ペナルティに少し上乗せしてあげ
3万円を振り込んであげたのです。
海外送金と違い、同系列の銀行
から送金したので
振り込み手数料はゼロ。
なぜか3万も送金したのに
手数料無料のため、何だか
少し得した気分でした。(笑)
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