ソムタム投稿「実家に帰りたい」


●ソムタム投稿第188話 実家に帰りたい


「お腹が痛い」

その日の嬢からのラインの第一声です。

「お前きのう何食べたんだ?」

「ソムタムプーパラー」

私はため息をつきました。
何度同じことを繰り返してるんだ。

ソムタムプーパラーは、生の沢蟹の
塩漬け入りのソムタム(青パパイヤなどで
作るタイの辛いサラダ)です。

地元の者ですら、これに当たって
入院騒ぎを起こすという、
名物料理です。

ちなみに私は、生の沢蟹と聞いただけで、
いくら新鮮でも食べません。

「あれほど言ってるのにまた食ったのか」

レディ達はこの料理が大好きです。

「ちょっとだけ。友達のをもらって
 ちょっと食べただけだから」

それでもひどい下痢や嘔吐を
起こすというシロモノです。

「下痢がひどくて、今日は仕事に
 行けないわ」

やれやれです。

その翌日。

ビデオコールすると、下痢がおさまった
嬢は、メイクしながらブツブツ文句を
言っています。

「テレビの修理代が心配」

引越し前に家主が点検に来たら、
テレビが壊れていた一件です。

「今回は、本当についてないわ」

いくら使っていないと言っても、
入居時にチェックしていなかったのは、
嬢の失敗です。

修理と言っても、最近はパーツの
交換ではなく、基盤丸ごと交換ですから、
買う方が安くついたりします。

敷金が戻ってこない覚悟は
しておかないと。

「来月引越しするのは、お金がもったい
 ないって友達が言うの」

ここでブチ切れて、引越しするのか
しないのかどっちやねーん!等と
怒鳴ってはいけません。

友達が言ったことをそのまま
報告しているだけです。

第一、引越代を払うのは私ですから。

さんざんぼやいた後、嬢はやっと
仕事に行きました。

そして週末はノードリンク。私は
ノードリンク手当500Bを出します。

週明けも嬢は仕事に行きましたが、
バーで吐いて、ママにあんたはもう
帰っていいと言われて早退。
全然稼ぎになりません。

「アナタは4か月しないと
 来てくれないし」

また嬢のぼやきが始まります。
私は辛抱強く聞いてやります。
聞いてやることしかできないからです。

「ワタシの周りは悪い奴ばかり。疲れた」

嬢はげっそりした顔でため息をつきます。

「久しぶりに、お父さんのいる実家に
 帰りたいわ」

気分転換になっていいかもしれない。
私はそう思いました。今のペースで
仕事を続けても、まともな稼ぎに
ならないからです。

「交通費出してやるから、行っておいで」

交通費と言いましたが、問題は料金
ではありません。

実は長距離のバス代は、日本では
考えられないほど安いのです。

それよりも大変なのは、バスで6時間
とかいうレベルの長旅になることです。

当然、あちらで何泊かすることになります。
その間の宿代や土産代もふくめての
帰省費用を、全部出すということです。

先輩諸氏のブログを読んでいると、
夜嬢と一緒に実家に行った話が
よく出てきます。

それに比べれば、費用を出すだけだから、
どうということはありません。

嬢のラインで道中や実家の様子が分かって、
いつか行くときの予行演習ができると
いうものです。

「実家でのんびりして、リフレッシュ
 してきたらいいよ」

私はそう言ってから、ふと思いました。

あれ、娘は学校があるのに
どうするんだろう?

写真を応援クリックしてね!
  

憧れのパタヤライフ - にほんブログ村

以前のブログはこちらから

それでも俺はタイへ行く