ソムタム投稿「娘が泣いている」
●ソムタム投稿第191話
娘が泣いている
「きのうね、娘の帰りが遅かったの」
「デートでもしてたのか?」
「帰ってきて泣くの」
「ええーっ! どうしたんだ」
年頃の娘のことです。私は心配で鼓動が
早くなりました。
「日本語の授業の後、先生に
呼び出されて、お前を教えるのは
難しすぎるって」
え? 何だそれ。
嬢に話を聞いてみると、覚えが悪いと
長時間説教されたようです。
しかし宿題をやっていないとか、
授業中マンガを読んでいて怒られた
とかならともかく、それで説教するか?
娘はおとなしくて口数少なく、
おっとりした子です。
勉強もチャキチャキ出来る
タイプではありません。
これは教師に嫌われたかな。
私はそう思いました。
残されて補習授業ならともかく、
ネチネチ説教して生徒を泣かせて
何の意味があるのか。
嬢に聞いてみると、そんなことは
よくあることだと言います。
日本と違って先生の権威は高く、
出来の悪い生徒には厳しいと。
そんなものかと思いつつも、我が子を
いじめられた親のような気持ちに
なっていました。
そんなころ、ソイさんから
ラインがありました。
「リックさんが、中古iPhone6、
iPadの販売してますよ。格安なので
プレゼント用にどうですか」
嬢がゲーム用にタブレットを欲しがって
いたのを思い出しました。
いつもスマホの画面を覗き込んで
長時間ゲームをしていて、目が
疲れると言っていたのです。
「へえ、それはいいですね」
「僕もレディのプレゼント用に
買いました」
「私もiPad1台お願いします」
「10月に帰国するから、運び屋
しますよ」
めちゃくちゃ有難いお申し出でした。
プレゼント用に1個ずつ買う。
とソイさん。
私はふと思いついて、言いました。
「あ、iPhoneも1台追加します」
娘にプレゼントしよう。あの子は
嬢のお下がりの古くてボロい
スマホしか持っていない。
私の頭の中は、iPhoneを受け取って
笑顔を浮かべている娘の映像で
一杯になっていました。
写真を応援クリックしてね!



以前のブログはこちらから