ソムタム投稿「娘はそれが欲しくて泣いた」
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●ソムタム投稿第207話
「娘はそれが欲しくて泣いた」
*****
サプライズでやってきたパタヤも
3日目になりました。
【パートンコー屋台】
今日の朝食は私の好物パートンコー。
小さな揚げパンです。
いつもの屋台に並んで揚げたてを
買います。
【屋台で買ってきた朝食】
その他、串焼きのムーピン、もち米の
焼いたのやフルーツを買って帰って
部屋で二人で食べます。
さて今日は観光です。朝からレンタカー
でアンダーウォーターワールドに
やってきました。
私は水族館や動物園、博物館の類が
好きなので以前から気にはなって
いました。
パタヤの中心街からほど近く、
スクンビット通りの分かりやすい
所にあります。
乗り合いのソンテウを乗り継いで
行こうと思えば行けるのですが、
観光路線ではないので短期旅行者には
ハードルが高く、
レンタカーに乗れるようになるまで
我慢していました。
【アンダーウオーターワールド】
ホテルから20分足らずで到着。
御覧の通り屋根はテントの小さい
水族館です。
イルカショーやら今どきの日本の
テーマパーク的な水族館ではなく、
昭和の地方観光地にあった懐かしい
感じの施設。
私は動物好きなのでいくらでも
楽しめますが、一般的なパタヤの
観光施設としては、優先度は低いと
思います。
まあ嬢と一緒ならどこに行っても
楽しいんですけど。
【錦鯉の池】
魚だけでなくイグアナ等もいます。
嬢の鑑賞基準は面白いとか綺麗とか
ではなく、食べられるかどうかです。
こどもの頃、野山を駆け回って
なんでも食っていたのでしょう。
メインの展示は100mの水中散歩
トンネル。映えるスポットも
それなりにあります。
さすがの嬢も、あちこちで写真を
撮ってせっせと友達に送っています。
【水中トンネル】
順路の最後には売店があるのは、
どこの国に行ってもお約束。
嬢がみやげものを指さして
言いました。
「この縫いぐるみ、娘が小さい頃、
欲しくて泣いたの」
小さい頃って数年前でしょうか。
同じお土産がまだ売っていたのでした。
「買ってあげたのか?」
「ううん、お金ないから買わなかった」
何千円もするような大きな
縫いぐるみではありません。
棚にぶら下げて売っているような
小さなものです。
嬢は小学生の娘を水族館に連れて
来てやった。入場料はタイ人価格で
2人合わせて400バーツ。
昔はもっと安かったかもしれませんが、
1日の食費くらいでしょうか。
いや、それだけあれば母子二人で
2日でもいけるかも。
いずれにしても、その時お土産を
買うほどの余裕はなかったのでしょう。
そして「そんなの買わないよっ!」
手を引く嬢のちょっとキツイめの叱責。
私は小さな頃の娘の姿が思い
浮かびました。昔の写真を見せて
もらったことがあるので、余計鮮明に、
泣き声まで聞こえてくる気がします。
「買っていこうか?」
私は思わず声に出していました。
「いらない」
嬢はふっと笑って言いました。
「あの子はもう大きいから」
そうなんです。今買ってもらっても、
その時の悲しさは癒されないし、
その時の喜びも戻ってこない。
買ってあげられなかった
嬢の悔しさも消えません。
「今度一緒に来ようか」
「あの子次第。来たいって言ったら
連れてきてやって」
そうなんです。これもお土産と同じ。
もう一度来るとしたら、私とでは
なくボーイフレンドと一緒に来る
べきなのです。
ふと顔を上げると、売店の壁面の
鏡に、私と嬢の姿が写っていました。
「二人で写真撮ろうか」
私達は、自撮りでなく二人の全身が
写った写真を撮りました。
【ツーショットで記念写真】
カップルと言うより、父娘のような
写真でした。
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