●ソムタム投稿第225話 帰国


2019年の年末、12月30日。

朝の5時のセットしたアラームの
少し前、私は目覚めます。

今日は日本に帰る日です。

目覚めた嬢の第一声は

「なんで帰るの」

でした。

この問いに何を答えたところで
洒落た回答になるはずはありません。

私は黙って嬢の頭に手をやり、
ニッコリ笑って起き上がりました。

前の晩に荷造りはしてあったので、
シャワーを済ませてロビーに
降りてきます。


【ホテルのフロント】

ホテルのフロント.jpg


12月の6時前、外はまだ暗く、薄暗い
ロビーに客の気配もありません。

大きなホテルなら同じ時間帯の飛行機に
乗る団体客でざわついているはずです。

嬢は今日もトナカイの上着を着ています。

私がチェックアウトする間、
ソファに座ってふてくされています。

今日でお別れなので、うれしいはずは
ありません。

トナカイの嬢】

トナカイの嬢.jpg


昨夜フロントで6時にタクシーを
呼んでもらうように頼んでいましたが、
15分前に到着。

小さいホテルですが、仕事は大きなホテル
のようにしっかりしていました。

バンコク中心部は、こんな時間でも
客待ちのタクシーがあちこちに
停まっています。

スーツケースを転がしてホテルの
前に立つと、どこからともなく
流しのタクシーが寄ってくるくらいです。

タクシーに乗り込み、まだ渋滞もして
いない道路を快調にスワンナプーム
空港に向かいます。

嬢は運転手と喋っています。

早口のタイ語ですが、サイカンビン
(航空会社)は私にも聞き取れました。

高速道路を右折、空港が見えるころ
には朝焼けが広がってきます。

朝焼けの高速道路】

朝焼けの高速道路.jpg


タクシーはわずか30分で空港まで到着。

なんとなく気まずい帰国の雰囲気の中で、
運転手は嬢とずっと話の相手をして
くれて助かりました。

感じが良かったので、規定料金
400バーツと、チップ100バーツを
渡します。

【スワンナプーム空港出発フロア】

出発フロア.jpg


今回はチャイナエアの台北乗継便で、
カウンターはR、奥の方。

待ち列も少なく、すぐにチェックイン
と荷物ドロップは終了。

身軽になります。

まだ時間に余裕があるので、一緒に
1階に降りてパタヤ行きのバスの
切符を買います。

【バスの切符を買う嬢】

切符を買う嬢.jpg


切符を買うとベンチに嬢と並んで座ります。

「楽しかったよ。ありがとう」

嬢は何も言わずに泣き始めます。
毎回これが実につらい。

そのまましばらく一緒にいると、
やがてバスの時間になります。

立ち上がった嬢をハグして私は言います。

「次は来年の夏に来るよ。半年待ってて」

「半年じゃない。8か月」

嬢はお土産の袋を持って小さな鼻声で
言います。

「気を付けて帰ってね」

私は外に出ていく嬢の後姿に手を振って、
見えなくなってからその場をあとにします。

そのあとは出国に向けてのルーティーン、
セキュリティチェック、イミグレーション
と進んで、綱引きの像の前に出てきます。

タイの旅の終わりを象徴する像です。

毎回これを見ると、ほっとするのと
名残惜しいのとで何とも言えない
複雑な気持ちになります。

でも同時に「楽しかった、また来るぞ」
という気持ちも沸き起こってきます。

出発ターミナル】

国際線出発ターミナル.jpg

「夏まで待ってろよ」

次に会えるのは2年半後になることを、
そのときの嬢も私も夢にも思いませんでした。

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それでも俺はタイへ行く