「生まれて初めてのスニーカーとパーカー」
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こんにちはソイです。
カレンといると日本人女性とは
全く違う人生を歩んで来たのだと
つくづく思い知らされます。
夜嬢という仕事は一般社会の
中では低い位置に見られがち
ですが
その仕事を選ぶしか出来なかった
彼女の人生は幸薄いものでした。
楽しい青春時代も無く欲しい物
も買えない・・・いや欲しいと
思う事さえ許され無い極貧生活。
家にお金を入れない元夫の為
自分がやらねばと必死で働き
2人の子供を育ててきたカレン。
魚市場で休み無く働いても
手に出来るのは僅か2万程の
サラリー。
フィリピンでは労基法など何処
吹く風。休みなど無くて当たり前。
それでも手に出来る金額は日本
から見ると微々たるもの。
十代からそんな逆境の中で生きて
きた彼女。
いやもしかするとそれは夜嬢と
いう仕事に就いているほとんど
の女性について言えるのかも
知れません。
ただ、彼女達も幸せになる権利が
ある。
そう思えるのです。
タレントという仕事はそんな
彼女達にとって幸せの切符を
手に入れる事が出来る唯一の
近道なのかも知れません。
カレンとロビンソンに買い物に
行くと、館内では南国特有の
強く効いたエアコンが素肌を
襲って来ます。
彼女が毎回寒い・寒いと言って
いるので
ある日ロビソンに行く前
「長袖の服は持って無いの?」
そう聞くと
ごそごそとクローゼットの中から
1枚のジャケットを出してきました。
ところがそれはよれよれで、日本
ならゴミとして捨てられていても
おかしくないような代物でした。
日本人の若いレディなら絶対
着ないであろう代物です。
「お前・何それ?ホームレスの
服か?」
それを見た私は思わず笑って
しまったのです。
しかし・・・。
「ウカイウカイデ・コレシカ
カエナカッタ。」
※ウカイウカイ
フィリピンの激安リサクルショップ
洋服が1枚30円以下の値段もある。
真顔で悲しそうに言ったのです。
この瞬間私は彼女が子供を抱えた
極貧生活に苦しんでいた事を思い
出し
彼女の服を笑ってしまった事を
酷く後悔しました。
笑ってなどいけなかったのです。
彼女にすればそれを買うのでさえ
やっとの思いだったのかも知れな
かったのですから。
子供を食べさせ育てるのがやっと。
自分の服など買う余裕は無かった
のでしょう。
私は自分の言葉が余りにも軽率で
あった事の反省の意味も込め
「OK。僕がパーカーを買って
あげるよ。」
「ロビンソンに行って先ずは
パーカーを買おう。」
そう言ってあげると驚くべき答えが
「ハニー・パーカー・ナニ?」
「え?パーカー知らないの?」
「ワカラナイ。」
貧困生活の中、毎日子供達に
食べさせる事でいっぱいだった
彼女は
女性の誰もが大好きなファッション
とは無縁の世界にいたようです。
パーカーを知らないとは驚きました。
しかし、その後更に驚くべき事が。
カレンを連れロビンソンへ。
彼女が私に任せると言ったので
チョイスは私が・・・。
目に留まった可愛いパーカーが
あったので購入。
試着させると彼女が小さな声で
「ハニー・タカスギル。」
1000ペソ約2700円が
高くて止めておこうと言います。
この言葉からも彼女の貨幣価値が
日本人の私と掛け離れている事が
伺えます。
「大丈夫だよ。僕は日本で働いて
給与を貰っているから。」
そう言うと
「アリガトウ。」と・・・。
直ぐに着て行くからと値札タグ
を取ってもらい会計しました。
ただ、彼女のコーディネイトを
見た時、足元が汚れたスリッパで
まるでホームレスが履くような
小汚い代物だったので
「カレン・スニーカーは持って
無いの?」
そう聞くと、これまた
「スニーカー・ナニ?」
本当にマジか?!と衝撃を受け
ました。
スニーカーを知らないだと?
ファッションに関して全く
知識が無い、いや興味を持つ事
自体許されなかったのでしょう。
「シューズだよ・シューズ。」
そう言うと分かったようです。
しかし
「モッテナイ。」と
聞くと彼女スリッパしか持って
無かったのです。
履く必要が無かったのか、それとも
買う余裕など無かったのか?
多分後者でしょうね。
パーカー同様・生まれてこのかた
スニーカーを履いた事が無いとは。
買ってあげたピンクのパーカー
を着て・スニカーを持つ彼女。
物凄く喜んでいました。
因みに彼女が履いてるグレーの
パンツ。シミがいくつも付いて
います。
それを着て平気で買い物に行く
のです。
私がそんなパンツ捨てろよと
言っても、まだ履けると・・・。
日本人が忘れてしまった
「物を長く大切に使う。」
そんな精神をお金が無かった
彼女は持っているようです。
何の変哲も無い普通のスニーカー
やパーカーを持ち猛烈に喜ぶカレン。
日本人なら小学生の頃に経験
するであろうこんなシーン。
彼女はようやく今実現出来たのです。
夜嬢の悲しい一面です。
たまたま私はカレンというレディ
と暮らし始め色々な事が分かって
きたのですが
中にはもっと酷い貧困から
この仕事に就いたレディもいる筈。
夜嬢という仕事はある意味そんな
彼女達が
「貧困からの脱出」という
そんな夢を抱き働いているのかも
知れません。
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