「マラテに新しく踏み出した２月２７日」
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こんにちはソイです。
さて、カレンが部屋から出て行き
私は部屋の片づけを始めました。
部屋には２人の思い出が沢山
残っています。
パネルに入れられた家族写真の
数々には子供達をマニラに招待
した時に水族館で撮影したものや
ダバオ旅行に行った時の物があり
とても大切な思い出です。
そしてカレンがプレゼントして
くれた２人の写真入りマグカップ。
そんな大切な思い出の品を
一つ一つゴミ袋に入れていくと
年甲斐も無く涙がこぼれて
きました。
全ての思い出の品をゴミ袋に
入れ、ゴミステーションに
行く為部屋を出ます。
いつもなら部屋を出る時には
必ずカレンに「行ってきます」
を言ってました。
しかしもうそんな必要は無く
なったのかと思うと
突然、猛烈な悲しみが胸の中に
広がってきたのです。
既にカレンは部屋にいないのに
「ゴミを捨てて来るね。」
「行ってきます。」
何故かそう言って私は部屋を
出ました。
まるでカレンの残像に話かける
ように・・・。
そして部屋に戻って来て再び
「ただいま。」と・・・。
当然返事など返ってきません。
私の声だけが空しく部屋の中に
吸い込まれていきます。
ベッドに仲良く並べてあった
ペアの２つの枕も１つにし
部屋の中から全て彼女の残像を
削除しました。
翌朝目覚めると、片付いた部屋に
不思議と清々しい気分になれ
思い出は私のマニラのクラウドに
保存され、新しい生活が始まった
のだと実感出来ました。
お湯を沸かしコーヒーを入れます。
窓の外にはマニラ湾が見え海面
には太陽の光が反射してキラキラ
と輝いています。
階下に視線を落とすと何時もの
ようにけたたましくクラクション
を鳴らすジプニーが我が物顔で走り
マニラの変わらぬ朝が始まった事を
教えてくれました。
ただ、私にとって部屋にカレンが
いない事で大きく変わって
しまった朝でした。
夜になりミスターから連絡を貰い
マラテの夜に繰り出します。
コンドミニアムを出てマラテの
夜の街に向かう足取りが物凄く
不思議に感じたものです。
何時もなら夜、出歩くなら
ゆうわくの店にしか行って
無かったのですから・・・。
バーヒッピングならぬKTV
ホッピングなどこの日初めて
経験したのです。
昨年５月からマニラに来て
８月にはコンドミニアムを
契約し
約半年以上もマラテに住んで
いるにも関わらず
２月２７日
私は初めてマラテの夜の街に
新しい恋を求めて踏み出しました。
しかしカレンとの別れを悲観して
いる時間も許してくれない程
マラテの街のタレント達は
私を恋愛の渦潮に巻き込んでくれ
あっと言う間にカレンの事など
忘れさせてくれるのです。
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